Yasumasa MORI2562-07-242019-07-242562-07-15『日タイ言語文化研究』第6号, pp.181-192, ISSN2187-4387 Studies of Japanese-Thai Languages and Cultures, No.6, pp.181-192, [งานวิจัยภาษาและวัฒนธรรมไทยญี่ปุ่น ฉบับที่ 6 หน้า 181 - 192], July, 2019ISSN 2187-4387https://dspace.spu.ac.th/handle/123456789/63481.はじめに 日タイ言語文化研究会(The Forum for Japanese-Thai Languages and Cultures, สัมมนางานวิจัย ภาษาและวัฒนธรรมไทยญปี่ ุ่น)は、日本及びタイの両国で 2012 年に発足した、日タイ言語文化 に関わる学術研究活動を行う任意団体である。同研究会の事務局は、日本及びタイ側にそ れぞれ設立され、その名称を日タイ言語文化研究所(The Institute for Japanese-Thai Languages and Cultures, สถาบันวิจัยภาษาและวัฒนธรรมไทยญี่ปุ่น)とした。タイ側事務局となる日タイ言語 文化研究所は、設立当初、バンコク都内の私立タイ商工会議所大学(University of the Thai Chamber of Commerce)に置かれていたが、2014 年4 月以降は、同じくバンコク都内に所在 する私立スィーパトゥム大学バンケーン本校(Sripatum University, Bangkhen Main Campus) に移転され、タイ側・研究会の運営業務を担っている。研究会名で用いられている日本語 表記における「日タイ」は、英語名では「Japanese-Thai」とし、タイ語名では「タイ日(ไทย ญี่ปุ่น)」として、それぞれ国名の順番が異なる名称となっているが、これは「日タイ」及び 「タイ日」関係の対等性を示すものと解される。同研究会の発起者であり、代表責任者を 務める田中寛・大東文化大学教授が作成した設立趣意書には、「日本とタイの親交を深め、 相互理解を促進する。日本とタイの人的接触を円滑にし、双方の発展に寄与するための諸 策、手法を思考・実践する。このために日本とタイの言語文化事情を共時的かつ通時的に より深く考察する」と記されている。同会の活動として、1)日タイ言語文化交流史の資料 渉猟・保存、2)研究会、学習会、年次大会の開催、3)教材作成(日本語教材・タイ語教材の 開発作成)、4)学術誌『日タイ言語文化研究(Studies of Japanese-Thai Languages and Cultures, งานวิจัยภาษาและวัฒนธรรมไทยญี่ปุ่น』(年報)の発行、5)親睦のための文化交流(見学会、懇親会 などの開催)の5 つを柱とする内容が掲げられている。尚、参加資格は、日本人、タイ人を 問わず、同会の設立趣意に賛同する者とされている。2012 年7 月14 日にスィーパトゥム 大学バンケーン本校において開催された「2012 年度第1 回・日タイ言語文化研究会」がタ イ側の設立記念大会となり、同会の開催数は、2012 年度より2018 年度現在に至るまでの - 182 - 期間で10 回を数えることになった。 本稿は、タイ側・日タイ言語文化研究会が設立された2012 年7 月より2019 年2 月現在 までに至る学術研究活動を念頭に、タイ側・日タイ言語文化研究会(以下、研究会)の回顧と 展望をまとめた活動報告である。活動報告の記述に際しては、1)学術セミナー及び発表大 会に関する開催状況、2)学術研究活動の実績、3)研究会誌における掲載論文等の3 つを柱 とした。これに加えて、同会の運営状況を概観した上で、最後に今後の研究会活動の在り 方や方向性についても若干言及した。jaタイ側・日タイ言語文化研究会の回顧と展望 ―日タイ言語文化研究の架け橋として― Retrospective and Perspective on the Forum for Japanese-Thai Languages and Cultures in Thailand: As a Bridge across Japanese-Thai Language and Cultural StudiesArticle