Yasumasa MORI2567-03-202024-03-202554-https://dspace.spu.ac.th/handle/123456789/9712本調査研究の目的は、スィーパトゥム大学(バーンケン本校)の日本語学習者の外国語(日本 語) 教師に対するビリーフを明らかにすることである。外国語教育研究におけるビリーフ研究は、 バリ(Beliefs About Language Learning Inventory; BALLI)を使用した、言語学習に関わる 言語学習観を内容とする。即ち、学習者や教師が言語学習に関して如何なる考え方を持っている かということである。本調査研究では、1)教師自身の授業を振り返る視点、2)ファカルティ・ ディベロップメントの観点、3)学習者が求める日本語教師像、の3つを背景として、言語学習 の内、外国語教師の役割に焦点を置いた学習者のビリーフについて、その分析及び考察を行った。 本調査研究の全体的進め方は、1)先行研究における外国語教師の役割に関する研究成果の概 観、2)本学日本語学習者へのアンケート調査内容の検討、3)実施したアンケート調査の集計 及び結果、4)結果の分析及び考察、5)考察のまとめと研究全体のまとめ、の順である。 日本語学習者へのアンケート調査は、 30 項目から構成され、1)外国語教師の存在と影響力、 2)外国語教師の目標言語・文化に関する知識、3)外国語教師が持っている学習者の背景に関 する知識、4)外国語教師の授業の進め方、5)外国語教師の学習者とのコミュニケーション・ インターアクション、6)外国語教師の性格特性、7)外国語教師の評価・正確性に対する態度、 の7領域に亘る内容についての各同意度(4件法)を問う形式で実施した。調査結果の考察に際 しては、全体、科目別、セクション別、担当教員別に加えて、7領域別に行った。 アンケート調査結果の全体的考察からは、各項目に対する同意率は高く、外国語教師に期待さ れる役割が大きいことが明らかになった。特に、外国語教師と学習者の人間関係に関わる項目で の同意率が高かったとともに、授業内・授業外での教育的関係を重視している態度が強く見られ た。科目別、セクション別、担当教員別、領域別の個別的考察では、比重の相違が見られるもの となった。この点に鑑みて、本学のタイ人日本語学習者の外国語教師に対するビリーフ構造は、 堅固性よりも柔軟性を帯びているものと解される。詰まり、学習者は、教室学習において、外国 語教師の影響を受けつつも、流動的・可変的なビリーフ構造を部分的に持っていると言える。 得られた学習者のビリーフの全体像を手懸かりに、良い外国語教師像や優れた外国語教師像を8 考えるべく、 外国語教師の資質・能力・態度を改めて見直すことが大切と思われる。 今後の課題 として、本学のタイ人日本語学習者が求めている、期待している、必要としている外国語教師の 役割像についての更なる検討や議論も 望まれるところである。jaタイ人日本語学習者学習者ビリーフ外国語教師の役割優れた外国語教師ความเชื่อที่มีต่อครูผู้สอนภาษาต่างประเทศ (ภาษาญี่ปุ่น) ของผู้เรียนภาษาญี่ปุ่นชาวไทยBELIEFS REGARDING FOREIGN LANGUAGE (JAPANESE) TEACHERS OF THAI-LEARNERS OF JAPANESEOther