SPU Research
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กำลังเรียกดู SPU Research โดย ผู้เขียน "Yasumasa, MORI"
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รายการ 「タイ国の大学における日本語・選択必修科目コースの『観光日本語』の教材研究」(2552) Yasumasa, MORI本報告書は、タイ国の大学における日本語・選択必修科目コースの「観光日本語」の教材についての調査及び研究の成果を記述したものである。そもそも、主専攻課程やこれに準ずる副専攻課程と異なって、選択必修科目コースにおける日本語履修科目数と履修時間数は、極めて少なく300時間前後程度である。この限られた制約の中で、「観光日本語」という「特定目的日本語(JSP)」に鑑みて、「実用的観光日本語」或いは「観光実務に使える日本語」のコース・デザインを考えなければならない現状にある。この現状は、初級レベルの語彙・文法・文型を全体的に網羅することなしに、観光実務に応用できる日本語の運用力を養成・向上させなければならない課題を抱えることになっていると言っても過言ではない。こうした課題に対して、本学と同種の選択必修型の日本語コースを有する他の大学では、如何なる取り組みと試みがなされているのか、即ち、各大学の「実践」を調査研究することで、選択必修科目コースにおける「観光日本語」の在り方や方向性を探ろうというものである。この在り方や方向性を探るべく、調査研究の手順に従って、1)コース・デザインにおけるコース・シラバス及びコース・カリキュラムの検討、2)シラバス及びカリキュラムを具体化した、教育活動の中心を占めるコース用教科書(主教材)として自主制作された「観光日本語」の自作教材の教材内容の検討、3)自主作成したコース用教科書を使用して、教室活動を実践している教員へのインタビュー調査、4)コース用教科書に対する「情意反応」を視るべく、観光日本語を履修する学生へのアンケート調査という方法を用いて、調査及び記述を進めた。 調査の結果、1)は、観光実務に照らして、実用性や実際に使用される場面・場所・状況を想定してのシラバスやカリキュラムを優先的に策定している。2)は、担当教員の裁量に任されているものの、必要にして、重要な場面でのやりとりに重点を置く、場面シラバスを基軸とする教材内容となっている。しかしながら、学習レベルの面で、基礎重視、或いは、応用重視のどちらかの立場かによって、語彙・文法・文型の扱い方が異なっている点、実用性の観点からは、待遇的表現の学習など、工夫を凝らしている点も窺えた。3)は、1)及び2)の動態的側面に該当する部分であるが、担当教員のシラバス策定能力・教材作成能力・教室活動の創造能力の3点で、観光実務に必要な語彙・文法・文型・表現の言語知識(言語要素)と言語運用(言語使用)に留意している姿勢が窺えた。4)は、初級レベルの水準を超えていない履修学生は、科目内容・学習内容・教科書に対しては満足しているが、学習レベルでは、難しいと判断している結果が得られた。 調査結果からは、選択必修科目における「観光日本語」の実情として、「一般目的日本語」と「特定目的日本語」との比重の掛け方や重点の置き方など、基礎重視か応用重視の学習内容の捉え方及び学習レベルか目標到達レベルの設定の方法等、依然として、議論を積み重ねる必要性が認識された。選択必修科目コースにおける「観光日本語」は、担当教員に依存する「現場依存主義」が浮き彫りになったが、この「現場依存主義」を受け入れた上で、且つ、外国語教育学の「教材論」の視点を含めた「理念・開発・実践」という枠組みを取り入れることで、筆者は、担当教員によるシラバスやカリキュラムの再検討、教材の分析・研究・開発に関わる経験的知識と能力、教室活動の創造能力の可能性が大きな役割を果たすと考える。 その可能性とは、即ち、1)初級レベルの日本語学習の段階から観光実務に応用できる日本語の語彙・文法・文型を積極的に取り入れる先行的シラバス策定の実践化を図る、2)初級レベルで対応できる、使える観光日本語の実践化を進める、3)観光業務及び実務における使用言語を調査することで、必要にして求められる言語情報を優先する観光日本語のシラバスを策定化する作業を推進する、の3点である。指摘された3つの可能性は、将来的方向性に向けて、検討されるべき課題と思われる。